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Evergreen(音丸の90年代キャンプスタイル)

大好きな1980~1990年代初期のキャンプ道具に囲まれたサイトで過ごす幸せなひととき。

【キャンプ録】第18回栃木県キャンポリー 2016年8月4日

   

前置き


夏季キャンプが一年のスカウト活動の集大成となるのですが、県キャンポリー開催年はキャンポリーが夏季キャンプの代わりとなります。

その為、スカウト君たちには以前から「単にキャンポリーというイベントにお客さんとして参加するのではなく、自分たちのキャンプ活動の一環としてキャンポリーを利用しなさい」と言ってきました。

6月からPDCA訓練を行ない、計画・準備を進めてきた理由はそこにあります。

3泊4日の野営生活に必要な全ての事柄、およびキャンポリー固有の準備事項(大営火、交流ナイト、朝のセレモニー当番)を列挙し、担当スカウト並びに監督責任グリーンバーを決め、必要資材の割り出し・確保、設営物の設計、段取りの協議・決定、リハーサルまで行なってきたのは、キャンポリー参加隊としての活動をスカウト自身が運営する為です。

7月31日の事前訓練でほぼ全ての準備が完了し、あとは本番を迎えるだけとなっていました。

グリーンバー(上級班長、班長、次長)が中心となり、スカウト君たちがどこまでキャンポリーを自分たちのものにしてくれるのか、非常に楽しみで前日の夜はほとんど眠れなかった私でした。



積み込み、出発


2016年8月4日午前9時、参加スカウトが大容量ザックを背負って宇都宮第15団野営場に集合します。

今回のキャンポリーは宇都宮第15団18名、宇都宮第18団3名のスカウトからなる総勢21名の混成隊。
【キャンプ録】第18回栃木県キャンポリー 2016年8月4日


途中から参加する2名を除く19名のスカウト全員が協力して、今回のキャンプで使用する全資材および全員のザックを4トントラックに積み込みます。

各スカウトは自分が担当する項目の必要資材がキチンと積み込まれたかを確認、更に設営監督責任グリーンバー2名が担当スカウトに確認を行なったかダブルチェックします。


1時間ほどで積み込みは完了。

その後出発式を行ない、送迎にご協力いただくご父兄の車に分乗。10時半にはボーイスカウト日本連盟那須野営場に向かいます。
(私は団委員長の運転する4トントラックの助手席に…)


12時頃那須野営場に到着。
【キャンプ録】第18回栃木県キャンポリー 2016年8月4日


『スカウト君たちが4日間、いや、今日一日持ちこたえられるのか???』と心配になるほどの、もの凄い暑さです。(^-^;;;;;

グリーンバーから適時水分補給の指示が飛ぶなか、リヤカー3台+手運びの人海戦術を何往復も行ない、荷物をサイトまで運びます。

45分ほどかかって全資材およびザックの運搬を完了し、ようやくカブ弁(おにぎり)の昼食。



設営


昼食が終わったらすぐに設営。

班長(中学2年生3名と中学1年生1名)+2名の班員で構成されるチーム4つがそれぞれA型テントを設営(つまり4張り)する間、次長(中学1年生)を中心とする残りメンバーがBIGタープおよび食堂フライ(タープ)を張ってパブリックスペースを作っていきます。
【キャンプ録】第18回栃木県キャンポリー 2016年8月4日
男子スカウト君たちの寝床であるA型テント。班長+班員2名で1張りずつ設営。


【キャンプ録】第18回栃木県キャンポリー 2016年8月4日
女子スカウト君たちのA型テント(手前)と女性リーダー用ドームテント2張り。
もちろんA型テントは女子班長+女子スカウト2名が張ってます。(^-^)


【キャンプ録】第18回栃木県キャンポリー 2016年8月4日
21名のスカウト君たちのLDK。ベンチは杭8本に横木4本を角縛りで固定し、棚板3枚を載せたもの


また、上級班長(中学3年生)は3サイトに渡って行なわれている設営を巡回して状況を掌握、適宜アドバイスを行なう他、班長と相談して次の設営物に関する人員配置の変更等を決定・指示していきます。


というのも、ウチの隊は人数が多いため、設営物も多いのです。

1.ベンチ(打ち込んだ杭に角縛りで横木を固定し、その上に棚板を渡すというウチの団で伝統的に行なわれているもの)

2.食堂フライ下に時計型ストーブを設置(ストーブ下に遮熱用の石版を敷き、煙突が倒れないようにブロックで固定する)

3.班旗立て兼掲示板(杭2本と竹1本、ロープで作成)

4.ゴミ捨て場(杭5本とロープで作成)

5.流し台(杭4本、ブルーシート、ビールケース、ロープ、ザル、バケツで作成)

6.ウェルカムモニュメント(竹6本、ロープ、垂れ幕で作成)
【キャンプ録】第18回栃木県キャンポリー 2016年8月4日


『もっと設営物を減らせばいいのに…』とか『設営がたいへんだから指導者が手伝う』と考える方もいるかもしれませんが、あまりハードルを低くすると子どもたちの成長機会を奪うことに繋がると私は考えます。
(時として子どもたちの成長スピードは私たち大人の予想を遥かに上回ります)

また、これくらいの内容であれば、ウチのスカウト君たちなら実行可能だという自信もありました。(^-^)


事実、グリーンバーが適時適格な指示を出し、班員が指示に忠実に、一生懸命作業を行なった結果、16時半頃から食事当番8名が夕食準備で設営から抜けたにも関わらず、ウェルカムモニュメントを除いた全ての設営が夕暮れ前に終了しました。(流し台はビールケースの上に置いただけの簡易なモノに変更となりましたが…)
【キャンプ録】第18回栃木県キャンポリー 2016年8月4日
指導者サイト。タープは私のHDタープレクタM。
隊長と私は指導者用テント(写真右)に、もう1名の男性指導者は自前のドームテントに寝ました。




ゲリラ豪雨


予想以上に荷物の運搬に時間を取られたため、設営が押せ押せとなり、夕食準備開始も30分近くの遅れ…。

それでも食事当番が奮闘し、遅れを取り戻していきます。

しかし、19時の開会式までに食事を済ませられるかはギリギリでOUTの見込み。(>_<)

開会式に遅れることは絶対にできないため、上級班長と協議の末、「夕食は開会式終了後」と決定します。



そんな折…

とんでもない勢いで雨が降り出します。

近くで大声を出さないと聞き取れないくらいの雨音、目の前は雨で真っ白、単なる夕立というレベルではありません。ゲリラ豪雨です。


『コレはヤバイ』と大急ぎでレインスーツに着替えていると、「あ~、倒れた!!」という悲鳴が…。

食堂フライの片翼が溜まった雨のせいで崩壊したのでした。


ボーイスカウトで標準的に使用されている食堂フライはメインポールとサブポールの差が少なく、屋根勾配がかなり緩やか。

しかもウチの団の食堂フライは昔から代々使用されてきた年代物のため、生地が伸び気味になっていたことも災いしました。


そちら側のストーブは既に鎮火していたので大事には至りませんでしたが、食堂フライ下で稼働しているストーブはまだ2基あります。


260cmポールが1本余っていたので先端にソフトボールを刺し、臨時の屋根を作って強制的に雨が流れ落ちるようにし、張り綱とペグを補強します。


また、BIGタープのほうも雨が溜まってしまうため、スカウトたちが随時雨を落としている間、ロープを立木に縛り付けたり、ペグを強力なモノに打ち替え、稜線をギンギンに張って雨が流れ落ちるようにします。


そもそも、この広大なBIGタープを子どもたちの腕力でピンと張ることは難しいうえ、ペグを打ち込んだサイト外周部の土質は腐葉土のため、この事態は避けられないことだったと思います。


結局、開会式は開始時間を大幅に送らせ、建物内のホールで開催され、その間、私ともう1名のリーダーは不測の事態に備えてサイトに残ることになりました。



ひとひのおわり


スカウト君たちが開会式から戻った9時過ぎには雨も上がり、ようやく夕食。(^-^;;;

昼間の猛暑、そしてゲリラ豪雨に見まわれ、お腹を空かせながらも、スカウト君たちの士気は下がりません。(スゴイ!!)

楽しそうに夕食を摂り、手早く後片付けも終えて点検を受けたのはなんと9時55分。消灯の5分前です。

事情が事情のため、本日は班会議も班長会議もナシ。

明日の連絡事項だけを伝え、嵐のようなキャンポリー1日めは終了となりました。(^-^)



初日を終えての感想


背の高い木に囲まれたサイトは、ギラギラした直射日光を受けずに済んで非常にありがたかったのですが、逆に湿度は高く、常に汗がダラダラ。

何をするのもイヤになるほど不快指数が高いなか、4トントラックいっぱいの荷物を運び、あれだけの設営をほぼ時間内で済ませ、あとちょっとで時間内に夕食も済ませられたスカウト君たちの士気の高さ、底力には驚くばかり。

今日一日で精神的にも肉体的にも相当逞しくなったと思います。


PDCA訓練担当者として常日頃から「私の仕事はキャンプが始まるまで…」と言っているのですが、今日は本当にそのとおりとなりました。

グリーンバーの采配は実に素晴らしく、過去最高の出来。

『私、何か指示したっけ?』と今となっては思い出せないくらい、安心して任せられ、おかげで指導者用サイトの設営に専念できました。(笑)

明日以降、スカウト君たちがまたどれだけ驚かせてくれるがとても楽しみな、充実した1日でした。(^-^)




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この記事へのコメント
>ぺんでさん

ありがとうございます。
今回のレポは次回キャンポリーの準備資料になるよう、備忘録代わりに書いています。

グリーンバー全員の目的意識の高さがスカウト全員に伝わり、モチベーション維持に繋がったんでしょうね。

こういう醍醐味があるから、ボーイスカウトの指導者はやめられないんですよね。(^-^;;;

音丸音丸
2016年08月09日 00:37
キャンポリーお疲れ様でした!

レポ、大変勉強になります!
組織図を見てるだけでワクワクしますねw

士気の高さは、そのまま事前準備のレベルの高さの証明だと思います。
いやあ・・・ホント、スゴイ・・・

ぺんでぺんで
2016年08月09日 00:12
>JDさん
いや~、この1日だけでも数段逞しくなりました。

普段の活動だったら音を上げているところかもしれませんが、「自分たちがっ!!」という気力が満ち溢れていたのだと思います。

これが“大人が用意したイベントへの参加”というスタンスだったら、おそらくこうはいかなかったんじゃないかと思います。

訓練の成果を遺憾なく発揮したスカウト君たちにはホントに感謝。

おかげで、他では味わえない“幸せな気持”にさせてもらいました。(^-^)

音丸音丸
2016年08月08日 20:13
>Scene-1さん
ご理解いただきありがとうございます。

ボーイスカウトは“野外活動のスペシャリスト”を育成するプログラムではありません。

主に野外活動を通して青少年の成長をサポートする生涯教育“運動”なのです。

15年近く指導者を務めてきて気付いたことは、子どもたちの自主性を引き出せれば、結果は自ずと付いてくるということです。

PDCAサイクルを一回でも回せて、そのやり甲斐、面白さに気付けば、自主性が出てきます。

自主性が出れば、技術や知識の習得力は3倍にも4倍にもなります。

今回のキャンポリーは規模も大きく、子どもたちの負担も相当なものでしたが、その分、“自信”を筆頭に、得られたものも格段に大きかったと思います。

音丸音丸
2016年08月08日 20:06
こんにちはー

スカウトくん達、とっても逞しいですね。

高温高湿度、大量の物資運搬、本番での設営、ゲリラ豪雨と大人でも音を上げそうな試練の連続ながら、

淡々とこなして消灯時間までにちゃんと終えられる。

道具や行動計画に対する理解度の高さと、状況変化への臨機応変ぶりが要求される中、すばらしい動きですね。

とにかくこの不快極まりない湿度の中で、指導者のみなさんもお疲れさまでした。

JDJD
2016年08月08日 18:55
的確な采配、ゲリラ豪雨への対応といい素晴らしいですね。
子供とは思えないです。
いや、大人でもここまで出来る人はなかなかいませんね・・・

恥ずかしながらスカウトを何のためにやるのかって良く知らなかったんですが、今回の記事を読んでなるほどなーと思いました。

彼らの将来を楽しみに思います(^^)
Scene-1Scene-1
2016年08月08日 18:54
 
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