タープの張り綱・地面に対する角度について
入門書等ではたいてい
「タープの張り綱は地面に対して45度になるように…」と記されています。
記されてはいますが、45度にする理由まで説明されている本は見たことがありません。
(せいぜい“キレイに張るためには…”くらいです)
余談ですが、私は隊(ボーイスカウト)で子どもたちにテントやタープの張り方を教える際、「なぜこのような構造になっているのか? この張り綱を引く意味は? なぜこのような順番で設営するのか?」等々、原理や仕組を必ず説明します。
なぜなら、テクニック(やり方)を教えるだけでは根底理解には繋がらず、簡単に忘れてしまったり、応用が効かないからです。
以下は子どもたちに説明している内容の一部です。
タープを張る際、メインポールには二つの力が必要になります。
一つは稜線をピンと張るための
水平方向に引く力
もう一つは、タープが飛ばされないようにする
垂直方向に引く力
で、これはレクタ、ヘキサ、ウイングの全て共通です。
この
水平方向に引く力(0度方向)と垂直方向に引く力(90度方向)が拮抗した角度が45度であり、これが「タープの張り綱は地面に対して45度になるように…」と記される理由です。
ここまでが基本です。
上記はあくまでも原則で、使用する幕や気象条件によって変更する必要が生じます。
例えば、
風が強いとき、大きな幕は風を孕んで浮力が生じるため、サブポールの張り綱は
45度の位置よりも手前にペグ打ちします。
つまり、垂直方向(飛ばされないようにする)の力を強くしてやる訳です。
逆に、風の心配がないが
雨水がタープに溜まってしまう場合は、メインポール張り綱のペグ位置を
45度よりも遠くにします。
水平方向に引く力を強くし、タープの稜線をピンと張ることで雨水をスムーズに流す訳です。
水分を含むと生地が多少伸びるタープが多いのですが、大型タープになるとこれが顕著になり、古いタープでは生地が伸びたままの場合もあります。
関連記事