第17回日本スカウトジャンボリー 栃木2隊 奮闘記 8/6編

音丸

2018年08月16日 10:19

8月6日(月) 会場入り3日め



魔の3日め


いち早く起きたS副長はリヤカーを引いて配給へ。
WB副長と私はスカウトくんたちが起きてくるのを待ち受ける。

起床してきた配給当番のレオ班男子をWB副長が引き連れ、先行したS副長と合流。

私は分別を確認したり、袋を縛ったり、ゴミ袋へ隊名を書き入れたり、ゴミ出しの準備を行なう。


配給当番が戻ってきた時点でスカウト全員を起こし、配給品の仕分け、朝食準備に取りかからせる。

普段のキャンプもそうだが、3日めの朝は鬼門。
ココを越えると、環境に慣れて通常ペースに戻るのだが、この朝、スカウトの精神的・肉体的疲労はピークに達する。

現に初日から孤軍奮闘していたY上級班長(中学3年生・女子)が遂にダウン。
彼女なら大丈夫だろうと思っていたが、さすがに中学3年生にジャンボリーの上級班長は荷が重すぎたようだ。
彼女に対する申し訳無さで胸がいっぱいになる。



ゴミ当番



朝食の準備を進めるスカウトくんたち

朝食準備が進むなか、当番2名を引き連れてゴミ捨てに出発する。

スカウトだけ行かせることも可能だが、前述したように、日によって/担当者によって対応が異なるのは日常茶飯事なので、何らかの理由でスカウトが追い返されることのないよう随伴する。

指定の6時半より5分ほど早くゴミ捨て場に到着したが、すんなり受け入れてくれたので一安心。

すぐにサイトへ戻る。



ギリギリ…?


上で述べたように疲労の色が隠せないスカウトたちの士気は上がらない。
おまけにいつも叱咤激励するY上級班長がダウンしているため、作業する者とただボーッとしている者にハッキリ分かれ、遅々として朝食準備は進まず…。


そんな折、VSのKさんが遂に雷を落とす。

常に冷静で決して声を荒げることのないKさん(女性です)の剣幕に驚いたのか、それとも一昨年はボーイ隊の上級班長、昨年からはベンチャー隊の議長を務めるKさんが発するオーラに気圧されたのか、なんとか朝食・後片付け・朝礼にまで漕ぎ着ける。


今市第2団のO副長に引率され、「行ってきま~す」と全班が午前のプログラムに出発したのは、目標時刻を大いに上回る8時40分頃だった。

楽しそうに午前中のプログラムに出発するスカウトくんたち



今日は朝イチで全班がジャンボリーゲーム日本一(注:班対抗で競い、日本一を決定する)のコンパスナビゲーションにエントリーしており、開始時間(9:00)までに会場に辿り着かなければならない。

この出発時刻では間に合うかどうかギリギリなので不安に思っていると、ダウンしていたY上級班長がようやく起き出してくる。

ゆっくり寝られたおかげで回復したらしく、朝食もきちんと食べてくれた。

1時間ほどサイトでゆっくりしていたが、オトナの中にスカウト一人では気遣いして可愛そうなので、「(班員と)合流するか?」と尋ねる。

「もう大丈夫なので行きたい」と彼女が言うので、一緒にEarthエリアへと向かう。



トチノキ班と合流


Earthエリアに辿り着いたものの、あまりに広すぎ、あまりにスカウトがたくさん居すぎ、いくら探してもレオ班・オオカミ班を見つけ出せない。

どうしようか思案に暮れていたところ、ようやくVSのKさんと携帯で話すことができ、トチノキ班(東部地区ベンチャースカウトによる班)と合流を果たす。

トチノキ班はプログラムを終えて昼食休憩中。

聞くと、ジャンボリーゲーム日本一には間に合わず(1分遅刻!)、全班グラウンドゴルフに参加した後は別れたそうだ。

Y上級班長に昼食を摂らせた後、午後のプログラム会場であるVenusエリアに移動する。

トチノキ班と一緒に移動


「ここで待っていればレオ・オオカミ班と会えるから…」とY上級班長に伝え、トチノキ班に彼女を託していったんサイトに戻る。



隊交歓相手探し


ササッと合流し、ササッとプログラム参加中のスカウトくんたちの写真を撮れると思っていたが、それが叶わなかったので、いったんサイトに戻って昼食を摂りながら状況を他のリーダーに報告する。

特に危急に対応しなければならない事態はなかったので、昼食を済ませたらすぐにVenusエリアに引き返す。


トチノキ班はレザークラフト(チーフリングづくり)に参加すると言っていたのでブースに行ってみると、レオ班もオオカミ班も同じ待ち行列に並んでいた。(笑)

レオ&オオカミ班@順番待ちの行列中



早くに会場に着いていたトチノキ班は列の前のほうだったが、レオとオオカミはかなり後方というか定員締切の4組前だった。

ただ待ち列でボーッと過ごさせるのはもったいないので、「今晩の隊交歓の相手は決まったのか?」と確認すると、スカウトたちから

「隊交歓ってなんですかぁ…」

という恐ろしい質問が…。(^-^;;;


「今晩、他の隊と交流するヤツだよ。事前訓練の時に交渉担当と企画担当を役割分担で決めたろう」

「明日もあるんですかぁ…」

「明日は大集会。隊交歓は今晩と明後日の晩!……って、
今まで何度も説明しているだろう。お前ら、ホントに人の話を聞いてないなぁ」


「私アメリカがイイ」「オレは韓国がイイ」

「勝手なこと抜かしてないで、さっさと交渉に行ってこ~い!」

スカウトと私のバカバカな会話を傍で聞いていて笑い転げるYご夫妻(Y上級班長のご両親。陣中見舞いに来られていた)。


交渉担当者であるYくんとHくんの中1コンビが、交歓相手を探しに当て所もなく歩き始める。

当て所もなく彷徨い始める中1コンビ(笑)


『何かアテはあるんか~い(汗)』と心の中で叫びながら、二人を遠目で見守る私。


誰にも声を掛けることなく、程なくして戻ってくる。

「見つかりませんでした」

(爆)


「あてもなくさまよってたら一生見つからないぞ。この待ち列の前後は他県スカウトじゃないのか? なぜ手近なところから声をかけない」


私に激励され、勇気を振り絞って列の後ろにいた班に声をかける二人。

残念ながらすでに相手が決まっていたが、丁寧に返答してくれた。(感謝!)


この丁寧な対応に安心したのか、すぐにその後ろの班に打診する二人。

こちらも先約があったが、やっぱり丁寧に応対してくれている。


『この調子なら大丈夫だな』と思っていると、「ちょっと来てもらえますか」とHくんが私を呼びに来る。

待ち列の最後尾の班(千葉17隊)に付添っていた副長さんに引き合わされ、今日の相手は決まっているが、明後日なら大丈夫だという。

打ち合わせの日時について明日の朝先方から連絡をいただくことにして、とりあえずお礼を申し上げ、連絡先を交換する。


自力で交歓相手を見つけ出した二人をねぎらうと、気を良くしたのか、今度はしっかり目的意識を持って列から離れ、スカウトが溜まっているブースに向かって歩き出す。

『もうこれで安心』と二人に任せ、私はチーフリングづくりを始めたトチノキ班を撮影する。

※結局、中1コンビは今晩の交歓先も自力で見つけてきた。(詳しくは後述)



チーフリングづくり


Venusサイトのプログラムでいちばん人気だったのがこのチーフリングづくりで、早々に定員いっぱいとなった。

円形の革に大会エンブレムを型押した後に着色、目打ちで開けた穴に革紐を通して結んだ後、化学薬品で型崩れさせないようにする。

言われたとおりにただ作るのではボーイスカウトのプログラムにならないので、作業に入る前、スタッフの方からきちんと原理についての説明が行なわれる。

タンニンなめしについての説明を受けるトチノキ班

レザーに型押し中


トチノキ班が完成したチーフリングを手に記念撮影した20分後、ようやくレオ&オオカミ班もスタート。

レオ&オオカミ班@着色中


凹の部分まで着色しちゃう、目打ちを力任せに叩いて台座にめり込ませちゃう等、相変わらず人の話を聞いていないスカウトに呆れ、スタッフの方に誤りながら撮影を続ける。(^-^;;;

そんな私に同情したのか(笑)、スタッフの方が私に型押し済みの革を渡し、「ご一緒にどうぞ…」と言ってくれた。

ありがたくスカウトに混じってチーフリングづくりに勤しむ。

最後は全員自分が作ったチーフリングを手に持っての記念写真。
Yご夫妻が撮影を代わってくれたので、私も写真に入ることができた。(感謝!)

笑顔いっぱいのスカウトとの記念写真は、私の宝物です




New MO!で大盛り上がり!!


午後のプログラム終了時間まで30分弱。

このままサイトへ戻らせることも可能だが、1つしかプログラムに参加しないのはもったいない。

そこでスカウトくんたちにお願いする。

「どうせだから、もう1個くらいプログラムをやってから帰ろう。でも、一つお願いがある。

このプログラムブースにいる人たちは、わざわざあなたたちのために休みを取ってココに来ている。

だから、全然スカウトがいないブースに行ってあげて…」



私の言いたいことを察してくれたのか、すぐに無人のブースへ行くスカウトたち。

本日の受付が終了しているなどして、辿り着いたのがNew MO!のブース。

円形のコート(相撲の土俵大)の真ん中にバランスボールが置かれ、班員がそれを取り囲む。(2班に別れて行なった)

全員がボールに手をおいて「New MO!」と叫んだらゲーム開始。

ボーイくんたち全員が大ハマリした「New MO!」


ルールは簡単で、コートから押し出されたら退場、ボールがコート外に出た場合は最後に触った人が退場…というバトルロイヤル。
これを繰り返し、最後まで残った人が勝ち。

なのだが、このゲームがユニークなのはこの後。

ゲームが終了したら、全員で協議して新たにルールを決める


オリンピック・メダリストの室伏広治さんが考案したゲームだそうで、一般公開ではコレが初とのこと。(@_@)


女の子にはボールを当ててはダメというルールを決めたため、押し出すこともできず(恥ずかしいから 笑)、最後は自らボールを出して自滅したり(爆)、全員アイマスクをしたためボールの所在がわからず、叫び声を上げながら取っ組み合いをしているうちに自ら蹴り出してしまったり…。

お腹が痛くなるほど笑せてもらった。(^-^)



初めての隊交歓は?


サイトに戻ったスカウトくんたちが夕食準備を始めるなか、私は今晩の隊交歓先である神奈川12隊さんのサイト位置確認も兼ね、挨拶にお伺いする。

あの後、中一コンビが交歓先として見つけてきたのがコチラで、今晩は自サイトで夏祭り(露店)をやるのでゼヒ遊びに来てほしい…とのことだった。

本来の隊交歓とはちょっと違う気がするが、こちらから声をおかけしたうえでお招きを受けたし、ほぼ全員が他県スカウトと交流するのは初めてなので隊交歓入門としてはちょうど良いかなとも思うし、そして何より、限られた時間の中でスカウトくんが自分たちで見つけてきた相手なので、お伺いさせていただくことにしたのだ。

神奈川12隊さんサイトは今晩の準備で大わらわだったので、お招きいただいたお礼を申し上げ、早々に退散する。



夕食準備中のサイトに戻ったところで、チェアを木陰に移動させて休憩を取る。

会場縦断を二往復したうえ、ほとんど立ったまま過ごしたのでかなり疲弊したらしい。

出発以来の肉体的・精神的疲れも出て、気付かないうちに寝てしまったらしく、気遣ったリーダーがそのままいただきますの時間まで寝かしておいてくれた。(感謝)



夕食を済ませ、約束時刻の19時半に全スカウトを率いて神奈川12隊さんのサイトへ…。


ゲートはイルミネーションが輝き、サイト内にはキンギョすくい(樹脂製)、ヨーヨー釣り、ストラックアウト、そしてかき氷のコーナーが…。


大いなる歓待を受けながらも、最初は遠慮してなかなか手を出さないシャイなスカウトくんたちだったが、何人かが参加し始めると、徐々にその動きが広がり、最後は全スカウトが各コーナーに散らばる。


程なくして呼び込みに釣られた他隊スカウトも来場するようになり、サイト内は多くのスカウトで溢れ返るほどの大盛況に…。

スカウトもリーダーも1時間ほどみっちり楽しませていただいた後、全員で神奈川12隊の皆さんにお礼の挨拶を行ない、サイトを後にした。


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